19.1. 生物学と社会 : ウサギのように増える
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1859年に狩猟を楽しみたい1人の英国人によって12つがいのヨーロッパウサギが南オーストラリアの農場に放された
1865年、その農場だけで2万匹のウサギが狩猟された
1900年までに、オーストラリア中に数億匹のウサギが分布するようになった
このウサギの侵入はいくつかの面で破局的でった
ウサギの活動は農場を破壊し、植生の根まで採食し土地を食い尽くした
特に乾燥地帯では、植物の消失は土壌流出を引き起こした
広範ににわたるウサギの地下穴は、ウシやヒツジが採食する足場を不安定にした
ウサギは、カンガルーやビルビーのような在来の有袋類とも、餌や生息空間をめぐって直接的に競合した
やがて、ウサギに引き続き、スポーツマンの好むもう1種の狩猟動物が導入された
ヨーロッパアカギツネ
この適応的な捕食者もまた、際限のないウサギの供給のおかげでオーストラリアで増殖した
しかし、アカギツネは好き嫌いのある捕食者ではない
ウサギの分布拡大を追うようにオーストラリア中に広がったアカギツネは、在来に鳥類や小型哺乳類を絶滅させるまで捕食し、今日でも他の在来種に影響を与え続けている
ウサギ、キツネ、そして長いリストになっている他の外来の植物・動物種は、オーストラリアに定着し、環境にダメージを与え数百万ドルに上る経済損失を引き起こしている
根絶は不可能で、最良の方法は、これら外来種のインパクトを最小化すること
この問題はオーストラリアに限ったことではない
人間が地球上を移動し続ける限り、意図的あるいは偶然に、数千もの生物種を新たな生息地に随伴させてきた
ヨーロッパのウサギやキツネのように、非在来の生物種は、遠く、そして広く拡散し個体群を定着っせ、それらがたどった後には、環境的な大損害を残している
→19.2. 個体群生態学の概要